ドルトムントは、遠くからでも目に入りやすい赤いつるバラ。
中心が白く抜ける一重に近い花で、豪華というより明るく元気な印象です。
白いフェンスや明るい壁に合わせると、赤がきれいに映えますよ。
つるバラとして育てるなら、植える前に枝をどこへ伸ばすか考えておきたい品種です。
伸びてから場所を探すと、通路に出たり、花が見えにくい高さへ行ったりしますので注意が必要。
ドルトムントの基本データ
| 名前 | ドルトムント |
|---|---|
| 花色 | 赤。中心が白く抜け、黄色いしべが目立つ |
| 花形 | 一重から半八重の中輪 |
| 香り | 控えめ |
| 雰囲気 | 明るい、元気、ナチュラル |
| 向く場所 | フェンス、アーチ、広めの花壇 |
栽培環境によって、花色や樹形の出方は少し変わります。
まず支えを決める
つるバラは、苗より先に支えを考えるくらいでちょうどよいです。
フェンス、アーチ、壁面トレリス、パーゴラ。
どこへ枝を流すのかが決まっていないと、伸びた枝を持て余します。
春だけでなく、花のない季節にも枝葉は残ります。
通路や窓にかからないか、冬に手が届くかも見ておきたいところです。
誘引は若い枝のうちに

つるバラの枝は、若い時ほど扱いやすいです。
太く硬くなってから無理に曲げると、折れたり傷んだりします。
フェンスなら横へ、アーチなら外側へゆるく流します。
きつく縛らず、枝が太る余白を残すこと。
誘引は枝を押さえつける作業ではなく、来年咲かせたい場所へ案内する作業です。
剪定で景色を作る

つるバラの剪定は、短くするためだけの作業ではありません。
古い枝を減らし、混み合う場所を整理し、花を見たい位置に枝を残します。
一季咲きに近い品種なら花後の整理を大切に。
返り咲きする品種でも、冬に全部短くしすぎると景色が作りにくくなります。
切る前に少し離れて全体を見ると、残したい枝が見えやすくなります。
病気と虫の見回り

つるバラは大きくなるほど、内側の葉が見えにくくなります。
株元、葉の裏、枝が重なる場所。
水やりや誘引のついでに、少しのぞいておくと安心です。
落ち葉をためないことも大事。
薬剤を使う時は、対象と回数を確認し、必要な範囲で使います。
一年目は枝を育てる時間
ドルトムントを植えたばかりの年は、花数だけで判断しないほうが気が楽です。
つるバラは、まず枝を伸ばし、支えに届かせる時間があります。
春に思ったほど咲かなくても、夏から秋にかけて良い枝が出れば翌年の楽しみになります。
勢いのある枝が出た時は、すぐ短く切らず、どこへ誘引できるか考えます。
通路へ出る枝は早めに向きを変え、フェンスの空いている場所へゆるく留めます。
作業しやすい高さにする
つるバラは、花を高い場所で咲かせると華やかです。
ただ、すべて高い位置に行ってしまうと、花がら切りも病気の確認も大変になります。
目線の少し上から胸の高さくらいに花が来る枝を残すと、日々の管理がかなり楽です。
アーチなら外側、フェンスなら横方向へ。
花を見たい面に枝を散らすつもりで誘引すると、庭の景色が作りやすくなります。
咲かない時に見ること
咲かない時は、肥料を増やす前に枝の向きと日当たりを見ます。
枝を上へ伸ばしたままだと、花が高い場所に集まりやすいです。
横へ流した枝のほうが、花を見やすい位置に持ってきやすくなります。
また、冬に花芽になる枝を切りすぎていないかも確認したいところ。
若い株なら、まだ枝作りの途中という場合もあります。
一度の春だけで決めず、翌年へつながる枝があるかを見ると判断しやすいです。
作業する日の小さな流れ
つるバラの手入れは、道具を持ってから考えると迷いやすいです。
私はまず、少し離れて全体を見ます。
どの枝がよく伸びているか、どこが混んでいるか、花を見たい位置に枝があるか。
それから手袋をして、邪魔な枝を一本ずつ確認します。
いきなり切るより、結び直せる枝は結び直す。
どうしても通路へ出る枝だけ切る。
この順番にすると、切りすぎが減ります。
ドルトムントのようにつるで見せたいバラは、枝を残す判断も楽しみのひとつです。
花がない時期も見る
つるバラは、満開の時だけが見どころではありません。
花がない時期の葉、冬の枝の流れ、支えとのバランス。
そこが整っていると、春の花も見やすくなります。
落ち葉が株元にたまっていたら取り、古い麻ひもは冬の作業で交換します。
細かい作業ですが、翌春に見ると差が出ます。
忙しい時は一日で終わらせなくても大丈夫。
今日は古い枝だけ、次の休みに誘引だけ、という分け方でも十分進みます。
初心者が迷いやすい場面
つるバラで一番迷いやすいのは、元気な枝が急に伸びた時です。
うれしい反面、この枝を残すのか、切るのか、どこへ結ぶのかで手が止まります。
そんな時は、まず切らずに行き先を考えます。
フェンスの空いた場所へ流せるなら残す。
通路や隣家側へ強く出るなら、早めに向きを変える。
どうしても使い道がない枝だけ整理します。
この順番なら、勢いのある枝を無駄にしにくくなります。
冬作業の前に準備するもの
冬の剪定と誘引は、始めてから道具を探すと疲れます。
手袋、剪定ばさみ、麻ひも、古いひもを切るはさみ、落ち葉を入れる袋。
このくらいを先にそろえておくと作業が止まりません。
枝にはトゲがあるので、薄い手袋では手入れがしづらく感じます。
少し厚めの手袋を使い、無理に枝を引っぱらないこと。
ドルトムントをきれいに咲かせるには、華やかな春より、冬の地味な準備が効いてきます。
ドルトムントは、毎日長く手入れするより、短い時間でも同じ場所から眺めるほうが変化に気づきやすいです。花、葉、鉢土の乾き方を少し見るだけで、次に何をすればよいか判断しやすくなります。


まとめ
つるバラは、花色だけで選ぶより、枝の伸び方と支えの相性で選ぶほうが失敗しにくいです。
アーチに向く品種、フェンスで軽く見せたい品種、壁面で主役にしたい品種。
使いたい場所を先に決めると、候補はかなり絞れます。
最初の一年は枝をよく観察し、二年目から少しずつ自分の庭の形に近づけていくのが続けやすいですよ。

